エル・コープ歩っぽストーリー〜エル・コープの取組みをご紹介します。
エル・コープを知っていただくために、いくつかの代表的な取り組みを紹介させていただきます。
●「えっ?!豚の一頭買い…?」―産直豚の取り組み―
エル・コープが産直運動に取り組んできた中で大きな力になったのは、豚肉の「一頭買い」と呼ばれ、組合員みんなで特定の部位肉(パーツ)に消費が
片寄らないよう、わけあって豚をまるごと消費していくという取り組みです。欲しい部分の肉だけ購入するという消費スタイルがどんな問題を引き起こ
しているのかを学び、豚の生産や流通の問題を解決する方法です。この組合員の取り組みによって、組合員が驚くほど「新鮮で」「臭みがなく」
「おいしい」「なにより素性が確かで安心できる」豚肉が実現できました。組合員の誇るべき大きな財産です。豚の枝肉を実際にさばきながら学ぶ
講習会は、各地域でのべ400か所以上で行われました。「肉」といえば、牛肉を指すこの京都で、エル・コープの総利用組合員約4,000世帯で産直豚を
年間1,000頭消費しています。エル・コープの考え方や取り組みを象徴する消費材となりました。分け合う量は1/8頭セットという、5人程度で分け
られるいろんな部位のセット肉が届きます。
右写真:産直豚の枝肉講習会
左写真:産直豚の1/8頭セット
⇒豚の一頭買いについて詳しくはこちら
●「遺伝子組み換えに対し、エル・コープはどう対応していくのですか!」 ―遺伝子組み換え取り組み―
1996年、遺伝子組み換え作物(=GM作物)問題が巻き起こり、表題のような組合員からの一通のお手紙から勉強がはじまり、対応が協議されました。
疑わしいものは取り扱わない、原材料のチェックを開始し、混入の可能性のある原料については可能な限り切り替え(排除)をすすめていくこととしま
した。遺伝子組み換え作物(食品)はいらない!という意思を確認しました。
遺伝子組み換え作物は、必ずその中に人類が未知のタンパクが形成されています。安全性の問題のみならず、遺伝子組み換え作物の自然環境中での交配
による「遺伝子汚染」の問題、開発企業による種子独占から食料支配への懸念など食の問題に大きな影を落としています。エル・コープでは、遺伝子組
み換え作物(食品)はいらない運動をすすめる意志のある生協と連帯して、家畜の飼料も含めて非遺伝子組み換えに切り替える取り組みを続けてきまし
た。エル・コープでも取組んだ多くの組合員による署名活動は、「遺伝子組み換えイネ」の実用化を阻むおおきな力となっています。100%排除は困難を
極めますが、食品の3次、4次原料の水準の部分まで遺伝子組み換え作物の混入はないかのチェックをすすめ、カタログ上で消費材の遺伝子組み換え情報
を公開しています。
⇒遺伝子組み換え対策についてはこちら
右写真:油、酢もすべて原材料を切替えて完全にGM対策をしたマヨネーズ
●「リサイクルがすすんでごみがふえた?!」―びんのリユース化の取り組み―
環境問題といえば「リサイクル」が盛んに言われていた時代。しかし、リサイクルが可能となることでどんどん容器包材ゴミが増え、その処理に自治体
の財政が苦しくなるばかりか、CO2の発生量もあまり抑えられない…。
そんな中、1998年日本全国の生協に先駆けて牛乳の容器を、繰り返し使用するリターナブルびんに切り替えました。組合員が日常的に洗浄し、配達時に
返却する行為によって回収率は実に98%以上を保っています。このびんは30回以上の繰り返し使用に耐えることができ、CO2削減効果が高いことがLCA
(ライフサイクルアセスメント)研究などで明らかにされています。
その後、牛乳容器にとどまらず、メーカーに協力を呼びかけ、リユースびんの回収
・洗浄・メーカー工場搬入の流通ルートをつくりだし、しょうゆやケチャップなどの調味料の容器をはじめ、加工食品の容器でもリユースびんが使用さ
れています。洗って返すという、日常の何気ない行為で、無理なく環境にやさしい暮らしが実践できるのです。消費の「便利さ」だけではなく、廃棄に
至るまで責任を持とうとする「生活者」の取組みとして提案しています。
右写真:生活クラブのリユースびん
左写真:エル・コープ低温殺菌牛乳
⇒リユースびんについて詳しくはこちら
●「旬を感じるシアワセ。虫喰いもあるけどおいしいよ!」 ―野菜BOXの取り組み―
そして、2000年には、野菜の取り組みを関西の3つの生協で統一し、「栽培期間中無農薬無化学肥料栽培」を基準にした、登録による野菜BOX取組を
開始しました。その圃場の前後作までは、使用の有無を問うことはしませんが(購入する種子や苗も問いません)、圃場に作付している期間は化学肥料
や化学合成農薬の使用は一切しないで栽培してもらうとともに、作付契約した野菜はすべて引き受けるという約束をします。野菜BOXは、その時期とれた
旬の野菜を畑に余らすことなく詰め合わせて届ける、“畑まるごと”食べるという取組みです。組合員が旬の野菜を工夫しながら食べていくことが、
市場出荷を前提(注文が約束した量に満たない場合、市場出荷して逃がしてもらう)にした栽培では化学肥料や農薬を減らしていくことが困難な問題を
解決したのです。化学物質の残留の少ない安全な野菜という枠にとどまらない、自然環境の循環を断ち切る化学物質の使用を極力へらし、いのちを再生
産していくことのできる農業と自然環境のあり方を提起しています。
見栄えの悪さ、虫喰いや傷みなどのリスクは大きくなりますが、素性が明らかで、環境負荷が少なく、おいしく安心して食べられる野菜。これが私たち
にとって価値ある野菜だと考えています。
右写真:山梨県・白州郷の野菜産地
⇒野菜BOXと産地について詳しくはこちら
●「生協うまれの信州育ち」―産直りんごの取り組み―
「旬の時期に完熟したおいしいりんごを食べたい。樹に小さな実がなっているころから予約します。だから実ったりんごはもう組合員が購入したもの
だから、あわてて収穫せずじっくり樹で完熟してから収穫してくださいね。完熟したりんごを少しでも早く食べられるように、グループで利用する
組合員へは流通の箱ごと届けてください。組合員で分けますから。それに、分け合うって、組合員どうし声を掛け合い、新しいメンバーにもこんな
りんごなんだよって伝えられるんですよね。組合員から組合員へ伝え広がっていくんですね。」と組合員が言えば、「見かけの良さより、樹から
もぎたての、おいしいりんごを食べてもらいたい。」と生産者の信州「八ケタ会」のメンバーはこたえました。
こんな食べる組合員とつくる生産者の思いがひとつになって、市場にはない、素性の確かなおいしいりんごが生まれました。そんな関係を「生協うまれ
の信州育ち」というキャッチフレーズがあらわしています。
エル・コープの組合員は2005年、りんごツアーで摘花から、摘果、除草、収穫、出荷目合わせと作業経験と生産者交流にのべ300名の組合員とその家族が参加
しました。組合員から組合員へ伝え広め、利用へと結び付けていく大切さが共有されました。
右写真:信州八ケタ会との摘花作業ツアー
⇒産直りんごについて詳しくはこちら
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